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資金繰りとキャッシュフローは、別物である。

執筆者の写真: Yoshikazu Takahashi
Yoshikazu Takahashi
10月4日
読了時間: 3分

過去のお金の動きと、未来の資金判断を混同しないために


「キャッシュフロー」と「資金繰り」は、同じ意味で使われることがあります。


しかし、経営判断では分けて考えた方が安全です。


キャッシュフローは、事業を通じて現金がどのように入り、どのように出ていったかという「お金の動き」です。一方、資金繰りは、これから先の支払日に必要な現金を残せるかという「未来の管理」です。


つまり、キャッシュフローは結果を捉え、資金繰りは時間を設計します。


■ 利益では、支払日を越えられない


損益計算書に売上と利益が計上されても、その日に現金が入るとは限りません。


売上が500万円あっても、入金が二か月後であれば、それまでの給与、家賃、外注費、税金は手元の現金で支払う必要があります。


経営を止めるのは、赤字そのものではありません。支払日に現金が足りないことです。


■ 月末残高だけでは見えない


月末時点で500万円の預金があれば、資金に余裕があるように見えます。


しかし、翌月10日に給与200万円、15日に外注費180万円、月末に税金150万円を支払い、主要取引先からの入金が翌々月であれば、途中で現金が不足します。


見るべきなのは、月末の残高だけではありません。


「いつ入り、いつ出るのか」を日付で並べたときの最低残高です。


■ 資金繰り表は、未来の意思決定表である


資金繰り表は、単に銀行残高を確認するための資料ではありません。


入金予定、支払予定、納税、借入返済、設備投資を時間軸で並べ、どの時点で、どれだけの資金が不足するかを先に把握するためのものです。


不足が見えてから資金調達を始めるのでは遅いことがあります。数字に余裕がある段階で、回収条件の変更、支払条件の交渉、投資時期の調整、借入の必要性を判断します。


■ 最低限、三つの数字を持つ


経営者が毎月確認したいのは、次の三つです。


・現在の現預金残高・今後13週間の入出金予定・その期間における最低現金残高


13週間先まで確認すると、目先の支払いだけでなく、納税や賞与、大口の外注費なども判断に含めやすくなります。


予測は正確でなくても構いません。大切なのは、毎週実績との差を更新し、判断を前倒しすることです。


■ 現金の時間を設計する


資金繰りの改善は、単なる経費削減ではありません。


請求を早める。前受金を設定する。回収サイトを短くする。支払条件を見直す。固定費の発生時期をずらす。必要であれば、余裕のあるうちに資金を調達する。


同じ利益でも、現金が残る事業と残らない事業があります。


その差を生むのは、利益率だけではありません。


お金が動く「順番」と「時間」を、経営者が設計できているかどうかです。


【 関連する支援領域 】


・経営・財務戦略:入出金予定、最低現金残高、資金調達の時期を整理する。

・事業設計:価格、回収条件、支払条件を見直し、現金が残る構造をつくる。


現状と、次の一手を整理する。


経営戦略、財務戦略から、事業開発、ブランディング、クリエイティブ、AI活用まで。株式会社VEXTRUMでは、企業の構想を実行可能な事業構造へ落とし込む伴走支援を行っています。複数の課題が絡み合い、次の一手が見えにくい場合は、経営全体の構造から整理します。


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